アルド・チッコリーニ ピアノリサイタル

IMG_20140619_013352今日は、池袋の芸術劇場へアルド・チッコリーニのリサイタルを聴きに行ってきました。
ここ数年来日のたびに足を運んでいましたが、昨年は来日がなく残念に思っていたので、今年来日の報は大変嬉しかったです!
1925年生まれのチッコリーニは今年で89才…もう日本で演奏を聴くことはできないのではと思っていました
今回のプログラムはブラームス:4つのバラード、グリーグ:ピアノソナタホ短調、ボロディン:小組曲そしてチッコリーニの祖国イタリアの作曲家カステルヌウォーボのナポリ狂詩曲の4作品。
今回もチッコリーニの指から奏でられる至高の音に酔いしれました…
実演を聴いた方はおわかりになると思うのですが、音そのものが本当に素晴らしいのです!
様々な演奏家を今まで聴いてきましたが、チッコリーニの音は私には現代トップクラスに感じられます。
アンコールは3曲奏されたのですが、スカルラッティのソナタはまさに水晶の音…
クリアで透明感があるのですが、響きのヴェールをまとってあるその音は感動的な美しさでした。
2曲目はドビュッシーの前奏曲集よりミンストレルだったのですが、二年前のドビュッシーイヤーでのリサイタルで印象に残っていた前奏曲集からの一曲が聴けて嬉しかったです♪
チッコリーニのミンストレルは本当に粋で素敵なのです!
最後はファリャの火祭りの踊りだったのですが、客席大熱狂のエネルギー溢れる演奏でした!私はチッコリーニのスペイン物などの民族音楽が大好きなのですが、当夜のファリャもとても格好良かったです。
今回も心に深く残る感動的な演奏の数々で、聴いていて幸せを感じました。
同年代の演奏家達は引退を表明するようになってきましたが、チッコリーニにはまだまだステージでの演奏をと願ってやみません。
チッコリーニの長きにわたる活躍をみると、同じくらいに生まれ、同じパリ国立音楽院でコルトーの薫陶を受けたリパッティやフランソワの早世が残念に感じられてなりません。