今日は、ロシア人ピアニストのエリソ・ヴィルセラーゼによるピアノ協奏曲を聴きに、錦糸町にある“すみだトリフォニーホール”へ行って参りました。
~プログラム~
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
ピアノ協奏曲第15番 変ロ長調K.450
ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン
ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調作品19
フレデリック・ショパン
ピアノ協奏曲第1番 ホ短調作品11
ピアノ:エリソ・ヴィルセラーゼ
指揮:アレクサンダー・ルーディン
新日本フィルハーモニー交響楽団
・エリソ・ヴィルセラーゼ
1942年グルジア生まれ
祖母のアナスタシア・ヴィルセラーゼにピアノを学んだ後、モスクワ音楽院でゲンリッヒ・ネイガウスとヤコブ・ザークに学ぶ。
1962年第2回チャイコフスキー国際コンクールで第3位、1966年シューマン国際コンクールで優勝
1960年からモスクワ音楽院で教職に就き、ソロのピアニストとして世界的に活躍しているだけでなく、室内楽の演奏家としても高く評価されている。
幅広いレパートリーを持ち、特にシューマンには造詣が深く、リヒテルに「当代一のシューマン奏者」と称えられた。
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ヴィルセラーゼはロシアンピアニズムによる卓越した素晴らしいピアニストですが、近年は門下の国際コンクールでの活躍も目覚ましく、その指導力にも注目が集まっています。
今回のプログラムはモーツァルト、ベートーヴェン、ショパンそれぞれの若き日に書かれたピアノ協奏曲が並ぶという滅多にない内容のもので、非常に聴き応えがありました。
モーツァルトの作品からはじまりベートーヴェン、ショパンと続いたのですが、このように順に聴ていくと作曲者の特徴は勿論ですが時代背景や文化的要素の影響を受けた“様式感”や楽器の発達によるオーケストレーションの変遷なども感じられ非常に興味深かったです。
ピアノを奏でるヴィルセラーゼの演奏は、2年前にソロでの演奏を聴いた時にも感じましたが、音質がとても美しく豊かで本当に素晴らしいものでした。
音色も情感も作品の曲想ごとに多彩に変化し、その細やかな描きわけに、まさに“音で語る”“音で現す”ということを感じ入ることができました。