リシャール・アムラン ピアノリサイタル

今日は、昨年開催されたショパン国際ピアノコンクールで第2位を受賞したリシャール・アムランのピアノリサイタルへ行ってきました。

コンクールのライブ中継で、音の美しさや端正で繊細なスタイルが印象に残っており、実演を聴いてみたいと思っていたのですが、現地で生の演奏を聴かれたここ数年来お世話になっている先生から、一次予選や二次予選での感想と来日公演のお誘いを頂き今回の機会となりました。

今回のリサイタルは、コンクール受賞後ということでオール・ショパンのプログラムでしたが、ショパン作品の多彩さが感じられる様々なジャンルの曲が並ぶバランスの良いもので、それと同時にピアニストの幅広い表現力を楽しめるものになっていました。

前半はノクターン作品62-1からはじまり、バラード3番、幻想ポローネーズと続き、最後にショパンの若き日の作品である序奏とロンドが演奏され、後半は、マズルカ作品33の4曲とソナタ第3番が演奏されました。

生で聴くアムランの音は弱音がとても美しく、一曲目のノクターンでは冒頭の1音目のスーッと立ち上るような響きにまず魅了されました。

マズルカやポローネーズの持つ舞曲特有のリズムの扱いの見事さや、ソナタやバラードにおける作品の構築感や幅広いダイナミックレンジなども印象に残ったのですが今回一番感嘆したのは、響きに響きを重ね合わせて作り上げる音の美しさでした。

美しい音と多彩な音色でショパンの詩情性が感じられる演奏は本当に素敵なものです。

ショパンのマズルカは和声の移ろいが美しく、聴き入りました。

2曲目のマズルカが舞踏的ではなく歌唱的なアプローチだったのですが、旋律の美しさや細やかな表情が浮かび上がる良いものでした。

26才のリシャール・アムラン、これからの活躍が楽しみです♪