本日は、素晴らしい音楽性とショパンの演奏で定評のあるピアニスト江崎昌子さんのピアノリサイタルへ行ってきました。
江崎先生は私の大好きなピアニストで何度か指導法やショパン作品の演奏法などについてお世話になっております。ありがたいことに今回は先生から直接チケットをご用意して頂いたので非常に良席で先生の奏でる美しいショパンを聴くことができました。
私は先生のショパンを聴くと毎回ショパンの作品の絶対音楽としての素晴らしさやピアノという楽器の奥深さを感じさせられるのですが、今回は特に先生の奏でる音から、ショパン自身が望んでいたであろう「音による思想の表現」や「音による言葉にならない感情の表出」というのを強く感じました。
ショパンの祖国ポーランドで長年にわたり勉強され活躍されてきた先生の演奏からはショパンの作品を深く愛する気持ちが伝わってきます。
以前お話をさせて頂いた時には、私がポーランドでご指導を受けた教授の近況やポーランドの音楽事情、民族音楽について色々教えて頂き嬉しく思いました。
今日はワルツ全曲とバッハのパルティータをメインとするプログラムでしたが、生でワルツを全曲通して聴くと連作のような大きな世界観を感じ今までにない感動がありました。
そして、ショパンのワルツにはマズルカ的要素が多いことも改めて感じました。
アンコールはショパンの遺作の中の一曲、ワルツ“ソステヌート”でした。
この作品は1952年にイギリスで発見され、近年出版されたものなのでメジャーな楽曲ではないのですが、瞑想的で叙情的な美しい作品です。
30小節ほど短い小品ですが、ささやくような音色が美しく心に残りました。